2月10日 『歴史の教訓』
今日はとても天気がいい。が、相変わらず家で過ごしている。
一つは寒いからだが、コロナ対策という言い訳もある。
さて、今日はアーネスト・メイ『歴史の教訓』を読み終わったので、軽く感想を書いておく。
本書は第二次世界大戦、冷戦、朝鮮戦争、ヴェトナム戦争において政策決定者が用いた歴史の推論を分析したものである。
要は政策決定者たちがれ歴史をあまり分析せずに現在進行形の事象に当てはめて、失敗したということだ。確かにこういう現象はジョンソン政権の核不拡散政策を研究していた際にも度々出現してきた。しかし、それはどちらかというと主にソ連側に顕著であった。例えば、ソ連側は西ドイツがMLFによって核兵器運用に参加し、後に第二のヒトラーが出現すれば、とんでもない結果が待っていると主張していた。ただ、西ドイツが核兵器取得に興味を示していたのは、アメリカの外交文書が分析していたように安全保障という理由よりは、国家の威信という点が大きく貢献していたのではないだろうか。まぁ、ソ連がMLFに反対していたのは、西ドイツが核兵器を保有することにつながるからだけではなく、NATOがより団結することを阻止しようとしていたからでもあるだろうが。
始めは『歴史の教訓』が"Thinking in Time"の訳だと思っていたんだが、"Thinking in Time"はメイとニュースタットの二人が授業でやっていた歴史の活用法を本にまとめたものなんだと理解。(進藤栄一のあとがきより)
このまま"Thinking in Time"も買おうかと思ったけど、まだ積み本が多いのでそちらを消化しようと思う。次に読むのはずっと読みたかった板山真弓『日米同盟における共同防衛体制の形成』。何もやることはないので、じっくり読もうと思う。